あやかしと四神〜闇を祓って〜
「僕だって、こんな暴力的な部下はお断りだよ」

「何だと?」

ツヤがギルベルトを睨み付ける。今にも殴り合いになりそうな雰囲気だ。イヅナは慌てて二人を止めるために口を開いた。

「あ、あの!本日は一体どういった要件ですか?また何か事件が?」

イヅナの頭の中には、先日会った不思議な少年との出会いがあった。彼とは最後までわかり合えないままの別れとなってしまった。

そんな彼女の心の内側など誰も知らず、ギルベルトが姿勢を正して話し始める。

「実は、ここ数日近隣周辺で人が行方不明になる事件が多発してるんだ」

「妖によるものでしょうか……」

ヴィンセントが顎に手を当てて真剣な表情を見せる。ツヤが本をテーブルに置いて言った。

「この事件、何か引っ掛かるんだ。あたしも独自に調査をする。お前たちも調査をしてもらいたい」

「わかりました」

「了解です!!」

イヅナとヴィンセントは真面目に、レオナードは元気よく返事をした。ギルベルトが分厚いファイルを手渡す。
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