その声を聞かせて
「初めての感情で、自覚すんのに時間かかったわ」

そう言ってチュッと口付けをされる。

細かく、ついばむように。

何度も、何度も。

「嫌な事なんて俺が忘れさせてやる」

直樹の事を言ってるんだ…

「もうとっくに気持ちは残ってないよ」

そもそもそこまで情熱を燃やしてなかった。
結婚に縋っていただけだったんだと。

こんな軽薄な女だと知ったら凌はどう思うだろうか。

「由麻」

名前を呼ばれて目を合わせる。

「俺をなめんなよ」

「え?」

「だいたいお前の事はもうわかってるつもりだ。あの男の事も」

私はまばたきを繰り返す。

「どうせ早く結婚したかったとかそんな理由だろ?」

なんでそれを!?
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