その声を聞かせて
いくら声優やアーティストをしてるからってこんなに稼げるものなのか?

全くお財布事情がわからん。

そして凌はパーキングに車をスッと止める。

こうして二人でちゃんとした格好で並んで歩くのは初めてかもしれない。

そんな私の手を取り凌は前を向いて歩く。

「なぁ、黙ってるからマスクだけ外したらダメ?」

「え?」

「夏は流石に暑いのよな」

「あ、全然私はいいよ?」

「それに、隣で堂々としてたい」

ぎゅっと握る手に力を込める凌。

「お前隣にいたら、誰も寄って来ないし」

「いや人を虫除けみたいに言うなよ」

思わず笑ってしまう。

「そういう意味じゃねぇよ」

そう言ってマスクを外した凌も笑う。

「店ではどうやって話す?」

「今日の店は個室」

あ、なるほど。
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