その声を聞かせて
その瞬間私は後ろにのけ反り止めてくれた人と尻もちをついてしまう。
そして結構なスピードでトラックが横切った。
信号を確認すれば赤信号だった。
どうやら赤信号なのに私は渡ってしまうところだったようだ。
私は振り返って見てみると目が合う。
え!?
この人!
あの喋れないって言ってた彼じゃん!
その人も何故か私を見て気まずそうにする。
そして何も言わずに私の事もついでに起こしてくれて立ち上がった。
「あ、あの! ありがとうございます」
彼はマスクをしたまま私を見下ろすだけで返事をしない。
その瞬間、バーっと雨が降ってきてしまった。
「ええ!? 嘘!」
最悪!
その時バッと無言で彼が自分の着ていたフード付きのジップパーカーを私の頭の上から被せた。
え?
すると彼はそのまま走り去ってしまう。
ええ!?
「あっ、ちょ、ちょっと!」