その声を聞かせて
それにしても直樹を思い出すとムカムカしてくる。

ったくなんなのよ!

バンと運転席のドアを力任せに閉める。

私の愛車は、男性陣から誕生日プレゼントでもらったホワイトのア◯ディのスポーツカー。

目立つからいらないと言ったのに、白ならいいだろとドヤ顔でプレゼントされてしまった。

何も言わなかったら黄色になっていたそうだ。
最悪。

ジムについてサンドバッグ相手に足技を繰り広げる。

「おーおー、珍しく暴れてんなぁ、由麻」

兄の波瑠が側に来て話しかけてきた。

「別れた」

私は波瑠を見ることなく脚を180度上げ一気に振り落とした。

「なんだと?」

波瑠はわかりやすく眉間にシワを寄せる。

「やっぱり駄目だったわ。頼りない人は嫌いよ」

とてもじゃないが格闘技が原因だなんて口が裂けても言えない。

それこそ全員で押しかけて行きそうだもの。

「あっそう。お前が違うって思ったならいいんじゃねぇの? 正直お前には合ってないと思ってたよ俺は」

波瑠はそう言って離れて行った。
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