その声を聞かせて
「凌は恋愛系の作品は出ないの?」

私は気になっていた事を聞いてみた。

「出ない。NG」

「NG? 何で?」

「俺女嫌いだから。感情移入できる気がしない」

女嫌い…
マスクで顔を隠すのも女避けって言ってたしな。

「私も女なんだけど」

「そうだった?」

「ちょっと!」

「クハハッ」

凌は笑ってまた台本を読み出した。
長い脚を組んで。

それは優雅に。

この狭い部屋が似合わない。

「私には話して良かったの?」

「まぁ…、俺も咄嗟に…」

「あれ、婚約者じゃないから」

「あいつはそう思ってないみたいだったけど?」

「元よ元。そもそも私が振られたの」

「何で」

「ママに反対されたんだって。あとは私が怖くて言えなかったんだって。最後は慰謝料だとか言って顔も見せずにお金だけよこして来たわ」

グッと凌の眉間に皺が寄る。

「一円も貰わずに婚約指輪と一緒に突き返してやったけどね」
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