その声を聞かせて
そして翌日、仕事中どうしてもNRの曲が頭をよぎる。

「由麻ちゃん熱ある?」

そう言って聞いてくるのは父の弟の奥さん。

「え?」

「なんか今日、顔ほてってない? 体調悪かったら無理しないでね?」

「大丈夫! 全然大丈夫!」

体調はすこぶる良い。

ああもう!
やだ!

そして仕事を終えてジムへ行く。

あの男は来るのか?
来ないのか?

そんな事を思いながらサンドバッグをボコボコにしていく。

邪念を振り払うように。

消えろ!
こんな邪な考え消えろ!

思いっきり足を振り落とす。

回し蹴りも付けてやる。

すると視界の隅で見慣れたタトゥーを発見する。

来たな。

私は目も合わせずに続ける。

そして渾身の一撃。

「はぁ…はぁ…」

そばに置いていた水を飲み汗を拭きながらその場を離れベンチに腰を下ろした。

タオルを首にかけて下を向いて息を整える。
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