Beautiful Flowers
家に帰って、
ドレスオムライスを作ってトワといっしょに食べ、
小さな彼は風の通る居間で昼寝をし、その間、俺は自室のデスクトップパソコンで仕事をした。
不思議なことに、トワを引き取ってから俺の仕事は右肩上がりに増えていた。小説も翻訳も。
……その分、俺の睡眠時間は減っていた。
窓の外で通り雨のサアアアア、と言う涼しげな音がして、ふ、と目が覚めた。
(いかんいかん、ちょっと寝てた)
俺は右手で目をこすり、それから作業を保存してパソコンを終了する。
(そろそろおやつの時間だ。今日は何を作ろうかな。
……何も作りたくないから、昨日、買っておいたたまごパンで……)
いない。
トワが、いない。
「トワ!?」
俺はあわてて居間を飛び出し、キッチンダイニング、自室、トイレ、
風呂場を、小さな彼を探しまわる。
「トワ!!」
俺は雨の中、外へ飛び出した。
「トワ!!」
ネコのひたいのような庭のすみ、
真っ白なカシワバアジサイの下でトワがうずくまっていた。小さな子猫のように。
「トワ!?」
振り返ったトワの丸い目には大粒の涙が浮かんでいた。
いつもは真っ赤な唇を、真っ白になるほど噛みしめている。
「どうした、トワ?
!!」
ドレスオムライスを作ってトワといっしょに食べ、
小さな彼は風の通る居間で昼寝をし、その間、俺は自室のデスクトップパソコンで仕事をした。
不思議なことに、トワを引き取ってから俺の仕事は右肩上がりに増えていた。小説も翻訳も。
……その分、俺の睡眠時間は減っていた。
窓の外で通り雨のサアアアア、と言う涼しげな音がして、ふ、と目が覚めた。
(いかんいかん、ちょっと寝てた)
俺は右手で目をこすり、それから作業を保存してパソコンを終了する。
(そろそろおやつの時間だ。今日は何を作ろうかな。
……何も作りたくないから、昨日、買っておいたたまごパンで……)
いない。
トワが、いない。
「トワ!?」
俺はあわてて居間を飛び出し、キッチンダイニング、自室、トイレ、
風呂場を、小さな彼を探しまわる。
「トワ!!」
俺は雨の中、外へ飛び出した。
「トワ!!」
ネコのひたいのような庭のすみ、
真っ白なカシワバアジサイの下でトワがうずくまっていた。小さな子猫のように。
「トワ!?」
振り返ったトワの丸い目には大粒の涙が浮かんでいた。
いつもは真っ赤な唇を、真っ白になるほど噛みしめている。
「どうした、トワ?
!!」