サルビアの育てかた
さりげなく隣に並び、俺も全身を伸ばし始める。
「おはよう、フレア」
「ええ。おはよう」
俺の顔を見ることもなく、彼女は無表情だ。
「……なあ。今日の帰り、少し時間あるか」
「なんで?」
「昨日、代理でレッスンの指導に入ってくれただろ? 見舞いにも来てくれたし、礼がしたいと思って」
「いらないわよ。迷惑だったでしょ?」
「いや、そんなことはない……」
どこか冷たい態度を取るフレアに、切なくなってしまう。微妙な空気が流れる中、ジャスティン先生がスタジオへやって来た。
先生にも迷惑をかけてしまったことを謝罪しなくてはならない。本当は変な空気のままにしたくなかったが、俺はそこですっと立ち上がる。
「ジャスティン先生、おはようございます」
「ヒルスおはよう! すっかり元気になったみたいだね」
「はい、お陰様で。昨日は、突発に休んでしまい申し訳ありませんでした」
「いいんだよ。今日からまたよろしくね! ただし、病み上がりだと思うからまだ無理はしないで」
「ありがとうございます」
どこまでも優しい先生の言葉に、あたたかい気持ちになる。
──その日、俺は生徒たちに指導をしている間に身体の調子もどんどん戻ってきて、レッスンが終わる頃には朝の妙な脱力感は消え失せていた。この身体は、動かしてこそ活きるらしい。
絶好調の一日だった。
「おはよう、フレア」
「ええ。おはよう」
俺の顔を見ることもなく、彼女は無表情だ。
「……なあ。今日の帰り、少し時間あるか」
「なんで?」
「昨日、代理でレッスンの指導に入ってくれただろ? 見舞いにも来てくれたし、礼がしたいと思って」
「いらないわよ。迷惑だったでしょ?」
「いや、そんなことはない……」
どこか冷たい態度を取るフレアに、切なくなってしまう。微妙な空気が流れる中、ジャスティン先生がスタジオへやって来た。
先生にも迷惑をかけてしまったことを謝罪しなくてはならない。本当は変な空気のままにしたくなかったが、俺はそこですっと立ち上がる。
「ジャスティン先生、おはようございます」
「ヒルスおはよう! すっかり元気になったみたいだね」
「はい、お陰様で。昨日は、突発に休んでしまい申し訳ありませんでした」
「いいんだよ。今日からまたよろしくね! ただし、病み上がりだと思うからまだ無理はしないで」
「ありがとうございます」
どこまでも優しい先生の言葉に、あたたかい気持ちになる。
──その日、俺は生徒たちに指導をしている間に身体の調子もどんどん戻ってきて、レッスンが終わる頃には朝の妙な脱力感は消え失せていた。この身体は、動かしてこそ活きるらしい。
絶好調の一日だった。