サルビアの育てかた
「どうしたの、ロイ」
「どうしたもこうしたもないよシスター! またあいつら喧嘩を始めやがって。止めたって全然聞かないんだ」
「小さい子たちは喧嘩して成長するものよ。そこは分かってあげて」
「うるさすぎるんだよ。ご飯もまずくなる」
そう言いながらロイは深くため息を吐いていた。
スタジオでのロイの口調と、シスターに話す時の態度がまるで違う。俺はそのギャップに少しばかり驚いた。
「そう言わないで。今、あの子たちはどうしてるの?」
「飯をぶちまけたから、叱ってやったよ。そしたらみんな泣きじゃくるんだ。本当、ガキは面倒臭いよ」
「ロイ……」
シスターはとても複雑そうな顔になる。
それでもロイはお構い無しに強めの口調で続けた。
「ずっと我慢していたけど、こういうの嫌なんだよな。ボクはここで一番年上だから、みんなの世話をしなきゃいけないのは分かってる。だけど毎日のように誰かが喧嘩をして、それを止めないといけない。喧嘩が収まったと思ったら、また他の誰かが問題を起こす。どうしていつもぼくが介入しなきゃならないんだよ。シスターが何とかしてよ」
「……そうね。わたしは少し、ロイに頼りすぎていたわね」
「これ以上ボクにあいつらの世話をさせないで。あと一年で、ボクもここから出ていかなきゃならないんだから」
その言葉を聞き、俺は目を見開いた。不機嫌なロイに声を掛けていいのか一瞬迷うが、口が先に動いていた。
「ロイ、ここを出ていくのか?」
「はい、そうなんですよ。孤児院で暮らせるのは十六歳までですからね。その後は国からの援助を受けつつ、一人で生活しないといけないんです」
「そうなのか……。大変じゃないか? スタジオはどうするんだ」
「バイトしながら頑張りますよ。大丈夫です、ボクは何があってもスタジオは辞めませんから」
「そうか」
その話を聞いて俺は少し安心した。
孤児院にいられるのが十六歳までという話は初耳だった。何となく俺は胸が痛む。
「どうしたもこうしたもないよシスター! またあいつら喧嘩を始めやがって。止めたって全然聞かないんだ」
「小さい子たちは喧嘩して成長するものよ。そこは分かってあげて」
「うるさすぎるんだよ。ご飯もまずくなる」
そう言いながらロイは深くため息を吐いていた。
スタジオでのロイの口調と、シスターに話す時の態度がまるで違う。俺はそのギャップに少しばかり驚いた。
「そう言わないで。今、あの子たちはどうしてるの?」
「飯をぶちまけたから、叱ってやったよ。そしたらみんな泣きじゃくるんだ。本当、ガキは面倒臭いよ」
「ロイ……」
シスターはとても複雑そうな顔になる。
それでもロイはお構い無しに強めの口調で続けた。
「ずっと我慢していたけど、こういうの嫌なんだよな。ボクはここで一番年上だから、みんなの世話をしなきゃいけないのは分かってる。だけど毎日のように誰かが喧嘩をして、それを止めないといけない。喧嘩が収まったと思ったら、また他の誰かが問題を起こす。どうしていつもぼくが介入しなきゃならないんだよ。シスターが何とかしてよ」
「……そうね。わたしは少し、ロイに頼りすぎていたわね」
「これ以上ボクにあいつらの世話をさせないで。あと一年で、ボクもここから出ていかなきゃならないんだから」
その言葉を聞き、俺は目を見開いた。不機嫌なロイに声を掛けていいのか一瞬迷うが、口が先に動いていた。
「ロイ、ここを出ていくのか?」
「はい、そうなんですよ。孤児院で暮らせるのは十六歳までですからね。その後は国からの援助を受けつつ、一人で生活しないといけないんです」
「そうなのか……。大変じゃないか? スタジオはどうするんだ」
「バイトしながら頑張りますよ。大丈夫です、ボクは何があってもスタジオは辞めませんから」
「そうか」
その話を聞いて俺は少し安心した。
孤児院にいられるのが十六歳までという話は初耳だった。何となく俺は胸が痛む。