サルビアの育てかた
 まだまだ足りないけど、ずっとここでキスしてたら時間が過ぎちゃうね。
 名残惜しくても、私はそっと彼の唇から離れていく。フッと微笑みかけ、彼にこう囁いた。

「最後の予行練習だね」
「えっ」
「これで誓いのキスも、完璧かな?」
「ああ……そうだな」

 ヒルスはまた、照れくさそうに私から目を逸らす。
 そんな彼の腕を掴み、私は空を見上げた。

 雲ひとつない、澄んだ水色だけが広がる綺麗な青空。
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