国の擬人化達との同居生活
ナオちゃんは、ニコニコしながらみんなと話していたが、ふと我に返ったように鞄からスマホを取り出した。
「そうだ、ちょっとお姉ちゃんに今の状況知らせとくわ」
「え、ナオちゃん!?」
私が慌てて止めるも聞いちゃいない。ピッと発信音が鳴る。
―――プルルル、プルルル。
「もしもーし?あ、お姉ちゃん?うん、今ね、菜羽ん家来てるんやけどさ、、、」
そこへスピーカーから、緊迫した声が響いた。
『ナオちゃん!?ちょうど良かった!あのね、今銀行から確認の電話があって―――私の口座に大金が振り込まれてたの!これって、、、新手の詐欺!?』
「、、、え?」
部屋の空気が一瞬で凍りつく。アメリカくんのゲームの効果音まで止まったように感じた。
「ちょ、ちょっと待って!振り込まれた?って、、、振り込み詐欺って逆じゃないの!?」
ナオちゃんが全力でツッコミを入れる。
スピーカー越しにお母さんの声が響く。
『菜羽!?まさか変なバイトとかしてないよね?大丈夫?』
「してないよ!!」
電話の向こうのお母さんは半泣き状態だ。
『口座に振り込まれてた金額がね、、、とんでもないの!家賃半年分どころか、電気・ガス・水道代、食費、果てはネット代まで全部計算されてるみたいなの、、、』
「「、、、えっ?」」
私とナオちゃんの声がピッタリ重なる。
リビングでは、擬人化男子達が気まずそうに視線を逸らした。
アメリカくんが最初に観念して手を挙げた。
「俺達、ずっと居候してるだろう?さすがにこの家に迷惑かけっぱなしはヒーローらしくないんだぞ、、、」
イギリスくんが続く。
「、、、黙ってて悪かった。家賃や光熱費くらいは払うのが筋だろ。ポンド換算で払ったんだが、、、」
「その数字をドルに直して振り込んだのは僕だよ〜」
イタリアくんがニコニコして言う。
「水道代は僕のとこで勝手にしたけど、、、ごめんね?」
ロシアくんは少し落ち込んでいる。
「ガス代は我が勝手に計算してたある。中華料理は油と火加減が命ある」
中国くんはため息。
「ごめん!今度からちゃんと言います!!」
フランスくんが謝罪。
「きちんと話してから振り込むべきでしたね。驚かせてしまい、申し訳ございません」
日本くんが静かに頭を下げた。
そこでふと、私は疑問が浮き上がった。
前に、日本くんはバイトをしていると言っていたが、、、このお金の出処(でどころ)は一体、、、。
電話口のお母さんは泣いている。
『振込人の欄に、アメリカ合衆国様、ロシア連邦様、イタリア共和国様、フランス共和国様、日本国様、中華人民共和国様、タイ王国様、中華民国様、大韓民国様、、、、って国名が書いてあるの』
日本くんが色々説得してくれ、お母さんも納得してくれたみたいなんだけど、、、自由なお母さんでもさすがに今回はビビったみたい。
そりゃそうだ。
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