君を大人の果実とよぶ。
牧の手術につくことが減り、
最近あまりついていなかった手術につくことが増えた。
京子は、心臓や消化器につくことが多かった。
その科がメインのチームに
所属していたというのもある。
だが、最近のメインは心臓に加えて、
脳や骨の手術につくことが増えた。
そしてわかったことは、
牧なんて可愛いものだということ。
特に脳神経外科の医師は、
これまた癖の強い医師が多かった。
「今更ですか?」
と渚が突っ込むも、京子は「ごめん」と一言。
「滅多につかない手術に
つくようになったのは、まだよかった」
脳外ドクターの愚痴は一旦置いておく。
本題はここからだ。
「長澤さんって、もともと内科にいたんだよね」
「そうらしいですね」
澪菜は腎臓内科から総合外科部門に移動してきた。
内科から外科への移動、
特に、何のつながりもない科への移動は、
なかなか大変なことだ。
消化器内科から消化器外科への移動なら、
まだ診る範囲が同じ臓器であるため、
勉強のし直しということはない。
だが、腎臓内科から総合外科部門となると、
あまりにも求められる知識が異なる。
その点は、京子も澪菜に同情していた。
「だがしかし」
「だがしかし、ですね」
京子は2、3週間前の出来事を思い返した。