君を大人の果実とよぶ。



ただでさえいい気がしない状況で、
更にはインシデント扱いまでされ、
京子の機嫌は幾分か良くなかった。


「インシデント、書いたんですか!?」


渚は信じられない、といった顔だ。


「書きましたよ。
 だから今日少し遅くなったの」


そう。これはまさに今日起きたばかりの、
採れたてほやほやな新情報だったというわけだ。


「うわ~さすがに可哀そうすぎます」

「そう言ってくれるだけ嬉しいわ」

「この1カ月で、なかなかの経験しましたね」

「本当よ。これも全部、あの男のせい」


そう言って一気に日本酒を煽る。

熱い感覚が喉に流れ、途端に頬が温まる。


「なんで私がこんな思いばっかり
 しなきゃいけないんだろ…」

「でもー、それはー…」


渚が京子のお猪口におかわりを注ぐ。


「嫉妬、じゃぁないですかねぇ?」



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