君を大人の果実とよぶ。
#3.我慢
店の日本酒を飲み切ったところで、
京子は大いに反省し、後悔した。
「次はウイスキー全部空けましょう!」
と叫ぶ酒乱の後輩を連れて、
なんとか会計を済ませて外に出た。
だが、連れられていたのは気づけば自分の方だった。
まともに、歩けない…
渚の背中にもたれつつ、
込み上げてくる嘔気を堪える。
「あー…きもちわるっ」
なんでいつもこうなるんだろう。
これも全部、あいつのせいだ。
「まき、じんいちぃー…」
「ん?牧先生?」
渚がキャハッと笑っている。
「先輩はー、牧先生が好きなんですよ!
いい加減素直になればいいんだ!ってこと!」
「うーるさいなぁ!
あんな大の女好きの、ド変態野郎なんて、
だいっきらいだっつーの!」
声の限り、空に叫ぶ。
本当に?と問いかける自分がいる。
頭がぐらぐら回る。
あぁ、でも、会いたいなぁ…なんて。
「嫌いだったら、
アメリカまでついていかないから!」
渚の言葉がグサリと刺さる。
「あの時は好きだった…かも。
でも、今はムカつくだけなのー!」
呂律が回っていないのが、自分でもわかる。
随分歩いた気がしたが、
止まっては進むを繰り返していただけなのだろう。
ようやく居酒屋の隣のコンビニまで、
たどり着いたようだった。
結局、ウイスキーは飲んだのか…?