君を大人の果実とよぶ。
「工藤先生、最近急患率高いですね?」
「あれ、ばれました?」
「お祓い行った方がいいんじゃないですか?」
「いやいや、僕は悪いことだと思ってないですから」
「さすが~」
その心意気に、思わず拍手してしまう。
これは病院七不思議の一つと言えるが、
緊急患者、緊急手術を引く医師や看護師は
ある一定層で決まっていたりする。
当直の際にまったく緊急患者が来ない医師もいれば、
夜勤勤務中に必ず緊急手術が来る看護師もいるのだ。
近頃の消化器外科の緊急手術、
すなわち予定されている定期手術以外の手術では
工藤が執刀することが多かった。
その相方は、決まって牧なことも多いのだが…。
「あ、工藤先生!」
後ろから走ってきたのは、物品を抱えた澪菜だった。
「お疲れさまです」
「工藤先生がいるってことは、
牧先生も来るんですか?」
「あー、そうですね。助手をしていただく予定です。
外勤から戻ってこられたら、ですけど」
「えー!じゃああたしつきたいなぁ」
なんて話が始まった横で、笑顔を向けられるほど
京子もまた成長していた。
すると、向こうの部屋から顔を出した看護師が
京子の視界に入った。
「長澤さん!物品待ってるんだけどまだ?」
「あ、すみませーん」
あの先輩怖いんですよぉ~
と工藤に言い残して、澪菜は部屋に走っていった。