幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
梶井さんといることだって知らない。
そもそも付き合ってるわけじゃあるまいし、後ろめたく思うなんておかしいわよ!

「いえ、美味しいです。逢生が喜びそうな店ですね。アイスが大好きだから、食べ放題のジェラートなんてあったら、そればっかり食べて困るくらい」

「ふーん」

梶井さんはおもしろくなさそうにワイングラスを傾けた。

「あの?」

「他の男の話をされるのも初めてだな」

「す、すみません。でも、逢生は男っていうより身内っていうか」

深月(みづき)はそう思ってないみたいだけどね。俺と初めて会った時から生意気な目でにらみつけてきた」

「逢生が?」

「小学生のくせに一人前の顔をしていたな」

気づかなかった―――ずっと私は逢生を弟くらいにしか思ってなかったから。
そんな頃から私を?
まさか。

「奏花ちゃんに恋愛感情がないみたいで安心した」

「え?」

「本気で付き合いたい」

驚いて、思考も動作も一時停止。
フォークからぽとりと付け合わせのズッキーニのソテーが落ちて皿に転がった。

「わ、私と付き合う?」

「そう」

梶井さんの黒い瞳が私を逃がさないように見つめている。
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