幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
「奏花ちゃんはしっかり者だなぁ。ますます好きになったかも」

「そんなことを言えるようになったなら、もう大丈夫ですね」

「本気だってば」

「私、逢生と付き合い始めたんです」

そう言うと、梶井さんは面白くなさそうな顔をした。

「深月、うまかっただろ?」

「えっ、な、なにがっ」

「寝たんだろ?」

「なっ、なんてこと聞くんですかっ!」

「チェロは女の形をした楽器だって知ってた?だから、俺のほうがうまいよ?試してみる?」

誘惑するように色っぽい目で私を見る。
そんな目をしたら大抵の女性はくらっとくるんだろうけど。

「梶井さん。私はわかったんです。私が梶井さんにドキドキするのはジェットコースターと同じだって」

「ふうん。ジェットコースターね」

ジェットコースターみたいに怖いのだ。
しっかりつかまってないと振り落とされてしまう。

「逢生は観覧車なんです」

「……騙されているよ、それは」

「えっ!?そうですか?」

「そんな男か」

そう梶井さんが言った瞬間、インターホンが何度も押されて音が鳴り響いた。

「深月だぞ」

「えっー!?」

どうして私がここにいるってわかったの?

「観覧車じゃなくてお化け屋敷の間違いだろ」

梶井さんがそう言ったのを否定できずに入口を戦々恐々として見た―――
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