幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】

ベンツのCクラス、カラーはブリリアントブルー。
目が覚めるような青色だった。
まさか逢生と青でかけてるんじゃないでしょうね……疑惑。

「なに?」

「車持ってたのね」

「知久が選んでくれた」

いえーい、見てくれたー?なんて言ってる陣川さんの明るい顔が目に浮かぶ。

「渋木さんに選んでもらった方がよかったんじゃないの?」

「地味なやつを選ぶぞって知久が言うから」

「手堅いの間違いでしょ」

額に手をあてた。
趣味は悪くないけど陣川さんの『あ、驚いた?驚いたよね?ウケてくれたらいいなって思って』という声が聞こえたような気がした。

「乗って」

「あ、うん」

車に乗ると逢生はメガネをかけた。

「逢生って視力悪かった?」

「これ?メガネじゃなくてクリアサングラス」

「あ、そうなんだ」

フレームが細くて色のないものだったからメガネかと思った。
留学で離れていた時間は意外に長かったのかもしれない。
最近、逢生のことで私が知らないことがいくつかあって、そのたびに不意打ちされたような気分になって戸惑う自分がいる。
真剣な顔で運転をする横顔は少なくとも初めて見た。
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