幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
なんとなく気まずくなり、逢生に話しかけた。

「え、えーと。今日の夕飯はなに食べたい?」

逢生が嬉しそうに笑う。

「なに……?」

「一緒に暮らすんだなって思ってた」

そんなふうに笑わないで欲しい。
もし私に逢生以外に好きな人ができたらどうするの?
その逆だってあり得えない話じゃない。
高校時代からの同級生っていう桑地(くわち)さんもいるわけだし。
これは期限付きのルームシェアなんだから。
ぼすっと助手席に座って前を向いた。
これ以上、逢生の顔を見るのは危険だ。
最近の私はおかしい。
昔の逢生と今の逢生。
違うところを探しているみたい。
探してそれを見ないように逃げてた。
大人の逢生を知りたくなくて。

「奏花はなにが食べたい?」

「私はなんでもいいわよって、大事なことを言っておかないと!」

ハッとした。
私としたことが。
そうよ、これだけはルールに従ってもらわないと。

「大事なことって?」

「そう。お菓子とかプリンは名前を書いて各自管理するわよ」

「えー」

「なにが『えー』よ!勝手に私のおやつを食べられたくないの!」

「俺はいいけど」
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