幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
「仕方ないだろう?女が俺と離れたくないっていうんだからさ。陣川はわかるよな?」
「俺?俺は女の子を幸せにするのが趣味なんで、梶井さんとは違うかなー」
「生意気な後輩達で俺は悲しいよ」
そう言いながら、テーラードジャケットを椅子にかけた。
梶井が使う香水とは別の甘い香りがした。
女物の香水。
滅多に険しい顔をすることがない知久が険しい顔をした。
その視線の先を見るとシャツをまくった梶井の腕に赤く細い線がついている。
爪痕だ。
女性につけられたのだろう。
「あぁ、これ?別れたくないって言われて暴れてさ。さすがにこれには参ったよ」
「感心しませんね」
食事を終えた唯冬がお弁当のふたをキチンとしめると、冷ややかな目で梶井を見た。
「先輩だと主張されるなら、後輩に侮られないようコンディションを整えていただきたい」
梶井でさえも唯冬が持つ絶対零度の空気に勝てない。
「遅刻は悪かった。次回からは気を付けよう」
降参だとばかりに梶井は手をあげた。
「渋木は怒ると怖い。それに今をときめくクラシック界の王子様達を敵に回したくないからな」
「俺?俺は女の子を幸せにするのが趣味なんで、梶井さんとは違うかなー」
「生意気な後輩達で俺は悲しいよ」
そう言いながら、テーラードジャケットを椅子にかけた。
梶井が使う香水とは別の甘い香りがした。
女物の香水。
滅多に険しい顔をすることがない知久が険しい顔をした。
その視線の先を見るとシャツをまくった梶井の腕に赤く細い線がついている。
爪痕だ。
女性につけられたのだろう。
「あぁ、これ?別れたくないって言われて暴れてさ。さすがにこれには参ったよ」
「感心しませんね」
食事を終えた唯冬がお弁当のふたをキチンとしめると、冷ややかな目で梶井を見た。
「先輩だと主張されるなら、後輩に侮られないようコンディションを整えていただきたい」
梶井でさえも唯冬が持つ絶対零度の空気に勝てない。
「遅刻は悪かった。次回からは気を付けよう」
降参だとばかりに梶井は手をあげた。
「渋木は怒ると怖い。それに今をときめくクラシック界の王子様達を敵に回したくないからな」