幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
会った時から、その目が気に入らない。
―――同族嫌悪。
その言葉が一番しっくりくる。
同類のくせにどうしてお前だけが持っているんだ?
俺がずっと欲しかったものを。
だから、少しだけちょっかいをだしてやった。

「可愛いことをいうなぁ。さすが子犬」

深月が俺を嫌そうな顔で見上げる。
口ではなにも言わないが、明らかに『不快だ』と顔に書いてある。
お前は俺に似ている。
そうやって幸せな顔をしていられるのはあの子がいるからだろう?
俺にくれよ。
そして、俺をもう一度救って欲しい。
この孤独から。
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