幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
「奏花は仕事ができるから、仕事量が私達より多いのよ」

「渓内さんは仕事ができるって俺らの会社でも評判だし、わかる気がするな」

「そんなことないです。寿実のほうが上司に認められてるし、信頼されていますから」

寿実がワインを飲みながら照れたように笑った。
そういう寿実も新人教育任されていて、上司からも信頼されている。
後輩からも相談を受けているのをよく見る。

「渓内さんと安西(あんざい)さん。仲いいんですね」

「私達、入社式からつるんでいたのよね。弘部君は仲いい女性多そうよね」

寿実はうまく探りをいれた。
これは弘部君狙いとみた。

「僕ですか?僕は意外と人見知りなんですよ。でも、今日は渓内さんと仲良くなりたいと思って参加したんです」

えっ!私!?
弘部君がちらっと私を見る。
これはまさか恋の始まり?

「それは嬉し―――」

私が最後まで言う前にざわっと店内が騒がしくなった。
……嫌な予感がする。
視線がその騒ぎの元凶へと注がれた。

「すっごいイケメンの三人がいるって」

「うっそ!本当!?」

三人―――もう嫌な予感しかしない。
振り向くのが怖い。
これはもうホラーだ!
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