未亡人ママはスパダリ義兄の本気の愛に気付かない
幸枝は椿がシングルマザーだということを知っている。
けれどだからと言って特に気を使う様子もない。
椿も気を使われると惨めな気持ちになるので、幸枝のあっけらかんとした性格に救われている。
「今日は暖かいから、洗濯物干して来ちゃった。」
「私も。今日は一日暖かいもんね。」
「でも花粉がね・・・。」
花粉症の幸枝は今日も目を赤く充血させている。
「久我山さんは花粉症、大丈夫?」
「私はいまのところ大丈夫。くしゃみも鼻水も出ないし。・・・くしゅんっ!」
「あれえ?言ってるそばからくしゃみして。やっぱり久我山さんも花粉症なんじゃない?」
「そんなことないと思うんだけどなあ。目もかゆくないし、くしゃみだけなんだよ?」
「花粉症に初めてなった人ってみんなそう言うんだよ?私は花粉症じゃないってね。」
「そうなの?」
「それとも久我山さんのこと噂してる人がいたりして?」
「えー。それは怖いかも!」
ふたりはそう言って笑い合い、マスクを付けた。