未亡人ママはスパダリ義兄の本気の愛に気付かない

引っ越し作業の音は、思いのほか早く収まった。

どうやら、荷物の少ない単身者が引っ越してきたらしい。

夢中でゲームをしている翔真に、椿が声をかけた。

「翔真。ゲームは一時間だよ?わかった?」

「うん・・・。」

翔真が生返事をする。

お友達が遊んでいるのを見た翔真にせがまれて、クリスマスにプレゼントしたゲーム機だったが・・・少し早すぎたのだろうか。

椿はため息をついた。

そのときピンポンと玄関のチャイムが鳴った。

「はあい。」
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