未亡人ママはスパダリ義兄の本気の愛に気付かない

運動会当日は快晴だった。

普段見られない翔真の雄姿を目にする、貴重な行事である。

翔真は観覧席にいる椿の姿をみつけると、大きく手を振ってくれた。

普段はそっけなくても、こういう場で母親を見つけるのはやはり嬉しいのだろう。

椿も手を振り大きな声で叫んだ。

「翔ちゃん!頑張ってね!」

園児達が準備運動を始めた頃、奈々子が椿の座るシートへやってきた。

奈々子はよっこらしょと小さく声を漏らしながら持参の座布団を敷き、腰を下ろした。

「お母さん、腰の具合はどう?」

奈々子は長年老人介護の仕事に携わり、そのせいか腰痛持ちだ。

「大丈夫よ。」

奈々子はそう言いながら、小さく微笑んだ。
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