未亡人ママはスパダリ義兄の本気の愛に気付かない

「まもなくおんぶ騎馬戦が始まります。青組の園児と保護者の方は集まってください。」

園内にアナウンスが流れる。

青組の園児達が保護者と共に園庭へ集まっていく。

その保護者の多くは父親だった。

「ほう。おんぶ騎馬戦か。翔真、俺がおんぶしてやる。」

「え?龍が?」

「翔ちゃん。ママがおんぶしてあげるから。」

「えー。でも・・・」

翔真は椿と龍に挟まれて困っている。

「椿。龍さんにお願いしたら?」

奈々子が椿の肩をポンと叩いた。

「椿さん。他の子は父親がおんぶしているんだ。ここは男の俺に任せてくれ。翔真、行くぞ!」

「うん!」

龍はスーツの背広を脱ぎ、シャツを腕まくりすると軽く肩を回した。

そして翔真と手を繋ぎ、園庭へ走っていった。

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