寝不足でお見合いしたら、結婚が決まりました
 


 あいつに会うために仕事を早く終わらせようと思うせいか。

 前より効率がよくなっている気がする。

 そんなことを思いながら、次の日、慶紀は職場の廊下を歩いていた。

 あの栄養ドリンクを手に、ふふ、と微笑んだとき、

「それ、彼女さんからですか?」
と声がした。

 振り返ると、あのとき赤い車で走り去った取引先の女性が立っていた。

 今日は仕事でこちらに来ていたようだ。

「あ、すみません。
 なんだか微笑ましげに見てらしたので」

「……いや、彼女からなのか、クマからなのかよくわからないんだが」
と答えて、え、と言われる。

 確かにくれたのは綾都だが。

 そもそも、その綾都にこれをくれたのは、クマだからだ。

 いや、クマのマークのドラッグストアだからだ。
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