寝不足でお見合いしたら、結婚が決まりました
 

 廊下を歩いていた社長秘書の菱川は、白神慶紀の姿を見かけた。

 ……社長に報告すべきだろうか。

 いやいや、あの人も今は普通の社員。

 特別扱いされるのは本意ではないだろう。

 しかし、藤宮綾都と結婚とは――
と思いながら眺めていると、慶紀は、やってきた綾都に向かい、

「危険なことを頼んでいいか?」
と訊いていた。

 藤宮綾都を危険な目に遭わせるのは、やめて欲しいんだが、
と思ったとき、慶紀は言った。

「今日、俺のマンションに来てくれないか?」

 菱川は首をひねる。

 ……それは、あなたが危険だということなんですかね?

 慶紀の言葉に、綾都と侑矢と美鳥は息を呑んでいた。
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