寝不足でお見合いしたら、結婚が決まりました
 


 週末、昼過ぎに綾都は慶紀のマンションに来ていた。

 一旦、荷物を置いて買い物に行こうと言う。

 部屋の外に出ながら慶紀がちょっと笑った。

「なんですか?」
と見上げると、

「いや、ちょっとしめしめだなと思って。
 今は、彼女に感謝していなくもない」
と言い出す。

 彼女とは、どうやら、あの、赤い車の女の人のことらしい。

「感謝?」

 ……っていうか、しめしめ?
と思っていると、

「彼女のおかげで、お前がうちに来てくれるようになったから、ちょっとしめしめだなと思って。

 ああ、別に悪いことを企んでるわけじゃないから」
と言ったあとで、

「いや……、
 悪いことかどうかはお前次第かな」
と言う。
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