寝不足でお見合いしたら、結婚が決まりました

 今日は私の結婚式だ――。

 綾都は鏡の前でサンドイッチをかじっていた。

 控え室にいる今この時間しか、食べられそうにないからだ。

「花婿さんがいらっしゃいましたよー」
と式場のスタッフの女性が微笑みながらやってきた。

 慌てて綾都は口元をティッシュで軽く抑えた。

 卵とかついてそうだったからだ。

 すぐに慶紀が入ってくる。

 身長も肩幅もあるので、白のフロックコートが似合いすぎるほど似合っていた。

 慶紀は、真っ白なマーメイドラインのウエディングドレスを着た綾都を眩しげに見たあとで言う。

「お前を10℃以下で保存したいな」

 ……この人の褒め方、独特だな。

 マイナス18℃以下じゃないのは何故なんだ、と思いながらも、綾都は、

「あ、ありがとうございます」
と微笑んだ。



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