うちの訳アリ男子たちがすみません!
6 宿敵、現る⁉

波乱の展開


 春の風が吹いて、日が傾き始めた。

 夕日を背景にゆっくりと回る観覧車の影はとてもきれいだ。

「いっぱい遊んだね」

「……メリーゴーラウンドはこわくない。安全第一ぃ!」

 衣装を返して元の服に戻った私たちはその後もいろんなアトラクションに乗った。

 今は楓くんとミケくんを先頭に、出口へと向かっているところだ。

 あのバラバラな服が名残惜しい気もする。

 またいつか、みんなで着てくれないかな(私は観客)……なんて。

 すると、隣にいたわん太くんが急に叫んで言った。

「あー! 限定ショップだって。グッズがあるみたいだよ!」

 見ると、出口につながるゲートの横に大きなショップがある。

 夕方だからか、たくさんの人が寄っていた。

「行ってみる? 電車の時間までは余裕あるよ」

 楓くんが私たちのほうを振り返る。

「行きたい行きたい!」

「たまにはいいですね」

「……みんなが行くんなら」

 はーいと手を上げるわん太くんにうなずく紫苑くん。それに天くんも賛同した。

「私はお金ないし、見るだけにしよっかな」

 割引といえど今日は多大なる出費!

 あさひなちゃんの映画のために、残しておかなきゃ!

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