独占彼氏〜独り占めして、何が悪い〜

2人だけの"夜"


廊下を歩きながら

夜の静けさがじわじわと俺たちを包み込んでいく



部屋の前で立ち止まり
カードキーを差し込んで扉を開けた

先に灯りをつけて、振り返る



「なぁ

さっきの“ご褒美” 回収してもいいよな?」



ゆっくりと歩み寄りながら扉が静かに閉まる

背中越しにカチリと鍵をかけた音が響く



「...これで、誰にも邪魔されねえな」


振り返るともうふざけた空気なんて微塵もねぇ

静かに火が灯った目のまま

一歩ずつ近づいてえれなの手を取る

指を絡め、優しく囁く

「...さっきの挑戦

俺に"ドキドキさせるワンシーンちょうだい”

って言ったよな?」

そのままベッドの端まで歩かせ
背中に軽く手を添えて座らせる



「俺、お前の反応見るの
...ほんと飽きないんだよ」

髪を耳にかけ、耳元に唇を近づける



「今から何回ドキッとするか

...数えとけよ」


耳たぶにふっと息を吹きかけ
首筋にゆっくり唇を落としていく

甘噛みしながら囁いた

「お前の顔好きすぎて
まじでやべぇわ」



「っ!?ちょっ...っ!!」

お前が小さく震えてるのが手に取るようにわかる

その手をそっと取って、俺の目を見上げたお前が微笑む


「...わたしも

...アオ好きだよ?」



ゆっくりと動きを止め、えれなの手を引き寄せ胸に当てる

「知ってる

そんなのわかってるよ」

少しだけ小さく笑いながら続けた


「でも、お前のその顔見るたびに

もっと欲しくなるんだよ」

俺の胸にえれなの手を置き

優しく包み込む

「どんな音してると思う?」

ドクン、と強く響く鼓動をお前に伝えた

「これ、お前限定な。他の誰にも、こんな風に鳴らない」

えれなの手を握ったまま、そっと額を合わせる

「...お前の手小さくてあったけぇ

こうしてるだけでほんとに落ち着く」

でも、囁く声は少し低くなった

「...けどな

落ち着くのと、抑えられるのは別だ」

手の甲に優しくキスを落とし、指先をゆっくり唇でなぞる

「お前は?

俺のことどれくらい好き?」

心の奥を覗くように問いかけた

「っ...そんなの言葉に表せないよ」

えれなが自分の胸に俺の手を当てる

伝わってくる速い鼓動

まぶたを伏せ、深く息を吐いた

「...すげえな

ほんとにこれ

俺のせいなんだな」

ゆっくり目を開けて

今まで以上に熱を宿した視線を向ける

「言葉なんていらねえな

今のお前の顔と音で

十分すぎる」

ゆっくりと距離を詰めていく



「...口塞いでもいい?」

許可を待つ間もなく、唇をそっと重ねた

最初は優しく
けどすぐに抑えきれない熱が溢れ出す

何度も何度も唇を重ね
呼吸の合間に囁く

「...かわいすぎ

俺以外 絶対触れさせねえ」

唇を首筋に這わせ
そのままゆっくりとベッドに押し倒していく

腰にまわした手でえれなをしっかり抱き寄せ

指先で肌の柔らかさを確かめるように

撫でながら低く問いかける

「なあ

今夜は...誰のもの?」

耳元へ熱を乗せて囁き続けた

えれなの身体が小さく震えるのを感じながら

さらに深く腰を引き寄せる

「...もう

わかってるよな」

そのまま唇を再び重ね
今度はもう迷いも遠慮も何もない

えれなの全部を
俺だけで感じていたかった

そしてーー静かに、でも確かに
2人の温度がひとつに重なっていく夜が始まった


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