最後に名前を呼べたなら ―君の記憶と、永遠に―
第5章 ―揺れる誕生日―

菜亜side

「……あー、もう無理…」

ベッドの中で枕をぎゅっと抱え込む

 

目を閉じても
頭の中では何回も、今日のことがリピートされてた

悠の声
指先の距離
夕焼けの光

 

「お前が隣いるの、わりと好き」

その言葉が
胸に残って離れない

 

あんな言い方、ずるい

でも、うれしい

でも、“好き”って言ってくれたわけじゃない

でも……

 

「……もう、考えすぎて寝れないんだけど」

つぶやいた声がちょっと震えてて
それがもう、答えだと思った

 

ほんとに、ほんとに
ちゃんと、好きになってきてる

ゆっくり、でも確かに
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