リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜

5 不安材料






「単刀直入に言うと、あのグループとは距離を置いた方がいい!…んだけれど…。」





「雫の事はどうしようって話でしょ〜?」





深夜の私の部屋で、合コンの反省どころではない話を切り出したつもりだったのに、胡兎の口調は相変わらずマイペースそのもので、いつもの事ながら調子が狂う。




それでも私の言いたい事はすぐ通じるのだから、私達リアライズの現状が、もしかしたら大きな爆弾を抱えているかもしれないって、胡兎はちゃんと理解しているのは確か。





「和哉君は悪い人じゃないって私にもわかるけど、一体何を隠しているんだろう…?」





「隠し切れてなかったね〜。少なくともあの透って子は。」





来た。



それだ。





「隠してるってそれは何を…。」





あまりにもヤバイものを見てしまうと、なぜか心のどこかで認知の拒否のような心理が働き、こんな風にわざとらしくその答えを相手に委ねてしまうのはなぜだろう。



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