リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
「そろそろ休憩も終わりだね。」
スタジオにはメイク直しのアイテムを持ったヘアメイクさんやカメラマンさんなど、次々とスタッフさんが入ってきて、それに続き真鵺と寧音、それから少しして雫も戻ってきた。
「最後は朱理がセンターにくるやつ撮るからさ〜、綺麗にしなきゃね。」
胡兎は私よりも先にロッキングチェアーから立ち上がると、私の頭からずり落ちそうになっていたヘアアクセのリボンを留め直してくれる。
「あ、…いいよ!そんな事しなくて。ヘアメイクさんいるんだから。」
「素直じゃないな〜。」
素直じゃない事なんてわかってる。
胡兎に、淳平君との事を“良かったね”っていつかは言える様になりたい。
私はあともう少し、大人にならなきゃいけない。
もちろん、雫と寧音、それから真鵺とも、もっと良い関係が作れるようになる為にも。
そうなれば、リアライズが分断されるなんて事には、きっとならない。───。