リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
“♪♪”
「あ、胡兎からか…。」
着信の相手は胡兎からで、手元に携帯を置いていた私はスリーコールで応答する。
「もしもし?」
「大変大変、気がついた!?ねぇ!朱理!!」
耳元で喚く胡兎はやたらと興奮している様子で、こちらとしてはいきなり脈略無く“大変大変、気がついた!?”なんて言われたところで、サッパリ意味がわからない。
「ちょっと、落ち着いて。気がついて無いよ…っていうか一体何に?」
「やっぱ見てないんだ?あの動画の事だってば!朱理と博巳君が交際してるとか言ってるヤツ!」
またそれかよ…。
ここのところ、胡兎はその件については私を冷やかしてくる事が無くなって清々してたっていうのに…。
「もういいよ、その件は。なんでまた…、」