リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
その声を聞いた瞬間、さっきの“これでやっと帰れる。”の文言に大きな✕印が上書きされる。
私が甘かった。
視線を私が目指していたエントランスの出口の自動ドアからエスカレーター降り口のあたりに移すと、予想通り“ザ・女の子”な声の人物が右腕を頭の上でぶんぶん振っていた。
無常にも私を乗せたエスカレーターはどんどん下に降(くだ)ってゆき、あっという間に降り口にたどり着く。
「お疲れ様、華音(かのん)ちゃん。」
「お疲れ様ですっっ。朱理さんのMC、今日も凄く良かったです!でも、朱理さんのお仕事ぶり、しばらく見れなくなっちゃうの淋しいですっ。今日はもうご帰宅ですよね?マネージャーさんは一緒じゃないんですかぁっ!?」