リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜





「え…う、うん。」





この時は私の心の中を響香に見抜かれてしまったのか、と思った。








「───響香、この次のシーンの撮影だけど…。」





控え室の中に入ってきた栗原さんはそう言いかけるけど、響香のただならぬ雰囲気を察してか、すぐに口をつぐんだ。





「私、今回の仕事だけはね、絶対に成功させたいの。」





側には栗原さんがいても、響香は構わず言葉を続ける。





「本当は朱理に見てもらうのは、私の舞台のお芝居を…って思ってたけど、でも…いいの。私にとってこのドラマは特別だから。」





「うん…そっか。だから今日、ここに呼んでくれたんだね。」





響香は笑顔でコクン、と頷くとそれ以上はもう何も言わなかった。





その笑顔は昔から私のよく知っている響香の笑顔そのもので、私は心から安心した。





< 286 / 303 >

この作品をシェア

pagetop