リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜




これは悪いな、と思い結局その後はスタッフの呼び出しをここで大人しく待つようになった。






でも、今日だけは。






この楽屋でいつも一緒の柊子さんも今日は私以外のメンバー四人と犬飼ディレクターの所や共演者の楽屋へ挨拶に回る為ここには居ない。






いつもの水曜日。




いつものこの楽屋。






それなのに私の心の内だけはいつも通り、っていうわけにはいかなくて。





この緊張感はいつも通りじゃない。








…何故だろう?今日はやけに昔の事を思い出す。






───私は今よりもずっと緊張していたはずだった。






私に生放送の司会アシスタントなんて務まるわけない…ってここでずっと手に汗を滲ませていたあの第一回目の、初めての放送日。





その後も自分がちゃんとやれているのか、やれていないのかすら分からず、この楽屋に来てからスタジオに入って、また戻って来るまではずっと緊張しっぱなしだった。



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