リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜




大きな鏡の前で、八の字を描くように背中と腰を捻らせ、サイドに移動するようにステップを繰り出す胡兎。




あれは難しいやつ…。




自分には困難なレベルの動きを難なくこなす胡兎を見て、流石だなと思う。




普段、ヘラヘラしている事が多い胡兎だけど、ダンスに関してはやっぱり尊敬しかない。







雫は…ついさっきまで屈伸運動をしてたけど、どうしたんだろう?今はぼーっとうわの空でどこか宙を眺めている。




私は心配になり、マシーンから降りて正面に見える隣のレッスンルームの雫のもとへ移動する。



やっぱり雫は気づいているのかもしれない。



専属モデルの仕事が、本当は自分に来ていたものではないという事を…。




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