報復を最愛の君と
僕は急いで来た道を引き返していった。


僕は息を切らし、乾ききった喉の痛みを感じながら走った。


ヒメアはまだ洗濯物を洗っているはずなので、いつも遊んでいるあの川へ走った。


「ヒメア…!」


銀色の髪が見えて、彼女だと思った。


声をかけるとヒメアは振り返って、僕に手を振ってくれた。


でも、僕の様子を見てその表情は不安にゆがんだ。


“もしも”。


ヒメアはそんな言葉の中で生きていると、そう知っていたから。


言えなかった。


「村には戻らないで」


君に今真実を告げたくないと思った。


俺の1番の後悔はこれだ。
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