報復を最愛の君と

情報の収穫

「裏切りってことですか?」


その言葉がしっくりきた気がした。


最初から、カナタは私を騙していたんだ。


またあの時の悲しみがあふれてきた。


「うん、そうなのかも。カナタは私のことどうも思ってないのかも。私にとってカナタは……とっても大切な人だったのにっ…」


両親よりも家族としてみていた、大切な人だった。


私の目からたくさんのの涙が流れていた。


「私にはヒメア様の悲しみを全て理解することはできません。しかし、家族を失う痛みはわかる気がします」


「家族を失う…?」


「はい。ヒメア様はカナタという家族を失った。いや、最初からいなかった幻のカナタを見ていたことに気がついた、という方が正しいでしょうね」


その言葉を聞いて図星すぎて、涙がボロボロ出てきた。


そうだ、最初から“カナタ”は存在しなかった。


私が見ていたのは、カナタ自身が作った偽りのカナタ。


「カノン様も天竜様と銀狼様に騙されていたのです。彼らの表の顔に」


クラも悔しいのか、涙を流していた。


私達は復讐をとげなければならない。


泣いている暇はないけれど、今は少しだけ。


泣き虫な私を許して。


***


「クラ〜!姫様〜!」


翌朝、ルナの声が聞こえて目を覚ました。


目の前にはクラの顔が。


どうやら、昨日はふたりで抱きしめ合いながら寝てしまったみたい。


目の横にはふたりとも涙の跡があった。


「姫様、起きましたね!もう9時ですよ?スイとソラ様はもう情報収集に行ってしまいました」


「えっ!?9時!?」


もうそんな時間だったなんて。


私は布団から出て、急いで着替えをした。


「クラも起きてください!!」


「ん…」


クラもようやく起きたみたいで、眠そうに目をこすっている。


「クラ、準備をして。スイとソラはもう行っちゃったみたいなの!」


「そうなんですか?それはすみません…」


まだ寝ぼけた様子で、のそのそと準備を始めた。


それから、洗面所の方へ行ってしまった。


数分経って戻ってくると、いつものようにシャキッとしたクラ戻っていた。


「それでは行きましょうか」


私はルナと顔を見合わせて苦笑した後、頷いた。


宿から出て商店街へ行くと、ベンチに座っているスイとソラを見つけることができた。


「スイー!ソラ様ー!!」


ルナが名前を呼びながら駆け寄るので、私達も後に続いた。


それから、ソラと目が合う。


「おはようふたりとも。よく眠れた?」


「おはよう。ま、まあ…」


寝過ぎたくらいにね、とは言わないでおく。


それから、私達もベンチに座る。


「それで、情報の収穫はあった?」


「ああ。もちろんあったよ。ベルス国は知っての通り人間は通してくれなくて、神というのは天竜と銀狼らしい。あとは、秘密の裏道があるってことかな」


「秘密の裏道?」


「うん」


ソラは満足げに笑った後、声をひそめてこう言った。


「王宮に入れる道があるんだって。天竜と銀狼に会えるかもしれない」
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