きらめきの島と夢のティアラ

　「ここが、きらめき島——？」

　仁が目を細めて、沖に浮かぶ小さな島を見つめた。

　澄んだ空に七色の光が瞬き、海にはイルカが跳ね、どこか遠くから鈴の音が聞こえてくる。その幻想的な光景に、彼の隣にいた結香は思わず「わぁ……」と声を漏らした。

　「案内役の鳥さんが言ってたわよね。“夢を持つ者だけが渡れる島”だって」

　「それって……ほんとに、夢を持ってる人だけ？」

　背後からエリの声がした。少し不安そうに、でも目はどこか期待に満ちている。

　「うん。わたし、夢あるよ！　バレリーナになって、世界中の舞台に立ちたいの！」

　未紗が手を挙げた瞬間、ぽん、と空に星のような光が弾けた。

　「これが、夢のしるし……？」

　結香が光を見つめてつぶやいた。

　「僕の夢も……本当は、あるんだけどな」

　仁が小さく言うと、彼の胸元にもそっと同じ光が灯った。

　「それじゃあ、みんな、準備はいい？　きらめき島には“夢の試練”があるんだって。ティアラを見つけた人は、本当のプリンセスになれるんだって！」

　そう言ったのは、謎めいた笑みを浮かべたマイアだった。

　「プリンセス？　俺、男だけど……」史也がぽりぽり頭をかくと、結香が笑った。

　「性別関係ないんだよ。だって、夢を見る心は、誰にだってあるんだから」

　貴也が懐からノートを取り出して、パラパラとめくる。

　「この島の地図は未完成みたいだけど、“四つの試練”をこなせば、ティアラの場所がわかるようになるらしい」

　「試練、か。燃えてきたな……！」

　仁はふっと笑い、顔を上げた。

　「よし、行こう。俺たちの“夢”を、見つけるために」

　【クイズ：第一の試練へのヒント】

　地図の最初のページにこう書かれていました。

　「はじめの道は泡のなか。潮のまにまに光を追え。マーメイドのうたが　道をひらく。」

　さて、次にみんなが向かうのはどこ？

　1.森の奥にある泉

　2.崖の下の洞窟

　3.海の中にある珊瑚の門

　→ 読者のみんなも考えてみよう！ 答えは次回のお話で！