きらめきの島と夢のティアラ
 【前回の答え:3. 海の中にある珊瑚の門】

 「正解は……海の中にある珊瑚の門!」

 結香がページをめくりながら言った。

 「やっぱりね。『泡のなか』『潮のまにまに』ってヒントがあるから、間違いないよ」

 未紗がパッと指を鳴らした。

 「だったら、すぐに出発しよ!」

 ところが仁がひとこと。

 「でも俺、泳げないんだけど……」

 エリがくすっと笑った。

 「大丈夫だよ。だって、ここは“きらめき島”。泳がなくても、夢の力があれば——」

 その瞬間、浜辺に大きなシャボン玉が現れた。光を反射して、七色に輝くそれは、ひとりぶんの大きさで、ふわりと空に浮かんでいた。

 「これ……乗れってこと?」

 史也が近づくと、シャボン玉がぷるんと震えた。

 「たぶん、ひとり一個ずつだと思う」

 実里が冷静に言い、もうひとつのシャボン玉がふわりと現れる。

 「おもしろいな、これ!」

 貴也が喜んで飛び乗った瞬間、シャボン玉は音もなくふわりと海へ進んでいった。

 「さあ、夢の旅、第二章のはじまりよ!」

 マイアがそう言ったとき、遠くから甘く澄んだ歌声が聞こえてきた。

 それは——マーメイドの歌。

 シャボン玉たちは、歌に導かれるようにして、海の中へと潜っていった。

 海のなかは、まるで宝石の箱のようだった。

 光の筋が差し込み、魚たちがきらきらと舞う。その奥に、真っ赤な珊瑚でできた門が見えた。

 「ここが……第一の試練の場所……!」

 結香が門に近づくと、門の上に文字が浮かび上がった。

 【夢のしんけいすいじゃく】

 「しんけいすいじゃく? なにそれ?」

 未紗が首をかしげると、マイアが説明した。

 「これは記憶の試練。夢の世界で出会った“言葉”を、ちゃんと覚えていられるか、試されるのよ」

 門の前に、12枚の貝が並んでいた。ひとつひとつに絵が描かれていて、ペアを当てる神経衰弱のようだ。

 「合ってるペアを見つければ、門が開くんだ」

 貴也がノートを開いて、表を作りはじめた。

 「みんなで協力しよう!」

 仁がそう言って、最初の貝をめくった。

 【貝の絵】
 1:バレエシューズ
 2:ティアラ
 3:月の杖
 4:バレエシューズ
 5:サンゴの冠
 6:ティアラ
 7:イルカ
 8:サンゴの冠
 9:星のステッキ
 10:月の杖
 11:星のステッキ
 12:イルカ

 史也:「1と4……バレエシューズだ」
 実里:「2と6がティアラね」
 エリ:「5と8がサンゴの冠」
 マイア:「3と10が月の杖」
 仁:「9と11が星のステッキ」
 結香:「7と12がイルカ!」

 ぴかぴかっ!

 全部の貝が光を放ち、門が音もなく開いた。

 「やった……!」

 門の奥に広がっていたのは、きらきら輝く海底バレエホールだった。

 —

 【読者クイズ:次のヒントを読んで、つぎの行き先を考えよう】

 「夢は水のように形をかえる。踊りつづける月の少女が かならず真実の扉をひらく。」

 次の“試練の場所”はどこ?

 1.湖のほとりにある古い劇場

 2.月明かりのもとに浮かぶステージ

 3.水中に沈んだ図書館

 → 次のお話で答え合わせをするよ! 考えておいてね!
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