【12/31引き下げ】クールなパイロットは初心な新妻を身籠らせたい
 千早さんの言葉に、私も深く頷いた。
 九月には正式に結婚式、披露宴などで私のお披露目があるのだから、それまでは私も一緒にいる姿など見られないように気を付けなければ……

 私たちはコーヒーを飲み干すと、店を後にした。

 マンションに戻る前に、早速私は料理の腕を振るうため、近所へ食材の買い出しに出掛けた。もちろん千早さんも一緒だ。
 松山にいた頃はちょっとの買い物でも車で出かけ、ついでにいろいろな店を梯子したりして最終的に結構な量の買い物をしてしまったりした。
 あの頃は、車があるからと全然気にすることはなかったけれど、ここではそれがないので買い物の量には気を付けなければ。

 そう思って買い物も吟味しながらしていると、千早さんが「俺がいるからたくさん買い物して大丈夫だよ」と優しい言葉をかけてくれた。

 もしかして、千早さんは荷物持ち要員として一緒についてきてくれたの……?

 ありがたい申し出だけど、たくさんの荷物を持たせるのも忍びない。けれど千早さんは「俺の方が力もあるんだから、一緒の時はそれくらいするよ」と言って聞かない。それならこの際甘えてしまおう。

 私は近所のスーパーへ行くと、お米とその他の生鮮食料品とお惣菜を購入した。自分が口にするものは、やはり自分の目で直接確認して購入したいと思ったからだ。千早さんにそれを告げると、大事なことだと私の考えに賛同してくれたのが嬉しかった。
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