Good day ! 4【書籍化】
「それじゃあ、行ってきます」

玄関で舞と手を繋ぎ、恵真は大和を振り返る。

「気をつけて行ってらっしゃい。舞、楽しんでおいで」
「うん!」

翼にもバイバイと手を振り、恵真と舞は玄関を出た。

「舞、どこに行きたい? 美味しいものを食べに行くのでもいいし、ほしいものがあったら買い物でもいいわよ」

歩きながらそう聞くと、舞はちょっとためらってから顔を上げた。

「あのね、ひこうきをみにいってもいい?」
「えっ、飛行機を?」

予想外の言葉に恵真は驚く。
翼なら分かるが、舞がそんなことを言うとは思ってもみなかった。

「分かった。じゃあ車で空港まで行って、展望デッキから見る?」
「うん!」

目を輝かせる舞に、恵真は更に不思議な気がした。

(いつも翼につられて飛行機の話をしてるんだと思ってたけど、舞もこんなに飛行機が好きだったなんて)

舞と二人だけの時間を持たなければ、知らないままだっただろう。
改めてよかったと思いながら、恵真は舞を車に乗せてハンドルを握る。

「おかあさんってすごいわね! おりょうりもできるし、おそうじやおせんたくもできるのに、くるまもうんてんできるなんて」
「そ、そう? そんなにすごい?」
「うん。すごーくかっこいい!」
「え、ありがとう、舞」

そんなふうに褒めちぎられるとは、と恵真はなんだかむずかゆくなった。
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