蛍火のような恋だった


「凪、お前歩くのはえーよ!もうちょっとゆっくり歩けよ」

「お前のペースに合わせてると遅刻すんだろ。俺、先行ってるから」

「あ、おい待てって!…なんで今日こんなに暑いんだよ。俺、学校着く前に溶けちゃいそう…」

「俺だって暑い。けどそんなことぐだぐだ言ったって仕方ないだろ」

「ったく、お前ってほんと冷たいよなぁ」

そんなふたりの会話を聞いていて、私は思わずクスッと笑ってしまった。

いいな。あのふたり、性格は真反対そうに見えても、きっとすごく仲が良いんだろうな。

ちょっとだけ、うらやましい。



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