転校生はAI彼氏。

7. 会いたいのは、君だから

 月曜日の朝。
 目覚まし時計の音で起きて、土曜日のことを思い出す。

 図書館での勉強会。

 楽しかった。
 本当に、楽しかった。

 でも──

(なんかすごく……疲れてるかも)

 小さくため息をつく。

 みんなと一緒にいる時間は確かに楽しいんだけど、帰ってからどっと疲れが出た。

 まるで、ずっと気を張り詰めていた糸が、ぷつんと切れたみたい。


(やっぱり私って、こういうところあるんだ)


 前は「恋愛なんて面倒」「人間関係も面倒」って思ってたけど、最近少し変わったつもりだった。


 でも結局、人と長時間一緒にいると疲れちゃう。
 沙織とも、柚木とも……。

 これが私の本来の性格なんだろうな。

 楽しいけれど、同時にどこか疲れてしまう。
 一人の時間が恋しくなる。

 でも、疲れたなんて言えないよね。

 みんな楽しそうだったし、私も楽しかったって言ったばかりだから。

 制服に着替えながら、また今日も明るく振る舞わなきゃなって思う。

 みんなは私のことを明るい子だと思ってるから。

 でもそれって、演技なのかもしれない。

 本当の私は、もっと静かで、一人の時間を大切にしたい人間なのに。

 暗い顔してたら、心配させちゃうし。

 でも、いつまでこの『明るい私』を演じ続けられるんだろう。

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