転校生はAI彼氏。
昼休み。
教室は生徒たちの話し声で賑やかだった。
「莉咲ちゃ〜ん」
沙織が私の机にやってきた。
いつものように、元気いっぱいの笑顔で。
「土曜日はお疲れさん! また今度やろなぁ」
「うん、楽しかったね! また今度ね」
自動的に、明るい声で答える。
口角を上げて、笑顔を作る。
でも心の中では、少し重い気持ちがある。
また今度も、きっと楽しいんだろうけど、だけど一人で過ごしたいかも……。
そんなことを考えてしまう自分が嫌だった。
なんで素直に楽しめないんだろう。
みんなは、普通に人と関わってるのに。